日本チームREJECTが健闘したPMGO 2025 開催国ウズベキスタンのeスポーツシーンとは

2025年4月12日から13日の2日間、中央アジアの国ウズベキスタンで、モバイルシューティングゲーム「PUBG MOBILE」の公式世界大会『PUBG MOBILE GLOBAL OPEN 2025』(PMGO 2025)が開催されました。世界中から集まった強豪チームが激戦を繰り広げる中、日本代表として出場したプロeスポーツチーム「REJECT」が総合5位という成績を収めました。

成長著しいウズベキスタンのeスポーツシーン

近年、ウズベキスタンではeスポーツへの注目度が急速に高まっています。2022年11月には、シャフカト・ミルジヨエフ大統領がeスポーツを正式なスポーツとして承認し、その発展を後押しする政策を打ち出しました。この大統領令に基づき、プロ選手の育成や国内外の大会開催が奨励されています。実際、ウズベキスタン国内では「Uzbekistan Esports Championship」といった大規模な国内大会も開催されており、その賞金総額は3億3200万スム(日本円でおよそ370万円)に達します。これらの大会は、デジタル技術省や青年政策・スポーツ省など、政府機関の支援を受けて運営されています。政府はeスポーツを、IT分野全体の発展戦略の一環として捉えており、ITパークの設立や税制優遇措置などを通じて、国内外のIT企業や投資を積極的に誘致しています。また、スポーツ全般への関心も高く、予算増額やインフラ整備も積極的に進められています

https://it-park.uz/en/itpark/news/the-largest-cyber-tournament-in-uzbekistan-uzbekistan-esport-championship

世界からの投資と注目の集まる大会

今回のPMGO 2025の開催には、世界的なゲーム企業からの投資も大きく影響しています。「PUBG MOBILE」の開発元である中国のテンセントゲームズは、ウズベキスタンのeスポーツ振興のために400万ドルの投資を行います。この資金は、大会の運営やインフラ整備などに充てられ、ウズベキスタンを中央アジアにおけるeスポーツの中心地とするための重要な一歩となります。また、ゲーム関連企業のXsollaは、ウズベキスタンのITパークと提携し、ゲーム開発者の育成を目指す「Xsolla IT Park Academy」を2025年に設立する計画を発表しています。

https://yuz.uz/en/news/uzbekistan—lider-kibersporta-v-tsentralnoy-azii
https://www.businesswire.com/news/home/20241015326353/en/Xsolla-and-IT-Park-Uzbekistan-Sign-Memorandum-of-Understanding-to-Foster-Game-Development-in-Uzbekistan

国際大会開催の意義と新興国市場の展望

ウズベキスタンにとって、PMGO 2025は初の主要な国際eスポーツイベントの開催となり、その意義は非常に大きいと言えます。この大会を通じて、ウズベキスタンは世界に向けてeスポーツへの取り組みをアピールし、観光客の誘致や経済効果も期待できます。Level Infinite(テンセントゲームズのゲームブランド)は、2025年の「PUBG MOBILE」eスポーツサーキット全体に1000万ドルを投資する計画を発表しており、新興国におけるeスポーツ市場の成長に大きな期待を寄せています。特にモバイルeスポーツは、東南アジアをはじめとする新興国で急速に人気が高まっており、モバイルデバイスの普及率が高いウズベキスタンにおいても、同様の成長が見込まれています。今回のPMGO 2025の成功は、ウズベキスタンだけでなく、中央アジア全体のeスポーツ市場の発展を牽引する可能性を秘めています。

https://esportsadvocate.net/2024/12/level-infinite-commits-10m-to-pubg-mobile-esports-in-2025

ウズベキスタンでのPMGO 2025の開催は、同国のeスポーツシーンの成長、政府の積極的な支援、そして国際的なゲーム企業からの投資が結実したものです。日本の「REJECT」の活躍も記憶されるこの大会は、ウズベキスタンが中央アジアのeスポーツハブとしての地位を確立し、さらなる発展を遂げるための重要な一歩となるでしょう。

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